軟水と硬水、コーヒーの味にどんな違いが?徹底解説!
「いつもと同じ豆なのに、なんだか味が違う…」
コーヒーを淹れるとき、豆や淹れ方だけでなく、「水」も味を左右する重要な要素だって知っていましたか?特に、日本の水は「軟水」が主流ですが、海外では「硬水」が一般的な地域もあります。
軟水と硬水では、コーヒーの味にどのような違いが生まれるのでしょうか?今回は、その秘密を徹底的に解説します!
なぜ水でコーヒーの味が変わるの?
コーヒーの成分の約98%~99%は「水」です。そのため、水に含まれるミネラルなどの成分が、コーヒー豆から抽出される成分に影響を与え、味わいを変化させるのです。
水の「硬度」とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラルの量を示す指標です。このミネラルの量によって、コーヒーの風味やコク、酸味、苦味の感じ方が変わってきます。
軟水で淹れたコーヒー:まろやかで繊細な風味を引き出す
軟水は、ミネラル分が少ない水です。
軟水で淹れたコーヒーの特徴
まろやかな口当たり: ミネラルが少ないため、コーヒー豆本来の繊細な風味や甘みを邪魔せず、すっきりとまろやかな味わいになります。
酸味や甘みが際立つ: コーヒー豆が持つフルーティーな酸味や、上品な甘みを引き出しやすくなります。特に浅煎りの豆や、軽やかなフレーバーの豆との相性が良いとされています。
飲みやすい: 全体的にバランスが取れており、雑味を感じにくいため、普段コーヒーをあまり飲まない方でも飲みやすく感じられます。
日本の水道水や、多くの市販ミネラルウォーターは軟水に分類されます。そのため、普段日本で飲むコーヒーの味に慣れている方は、軟水で淹れたコーヒーが「いつもの味」と感じやすいでしょう。
軟水がおすすめな人
コーヒー豆本来の繊細な風味や甘み、酸味を楽しみたい方
すっきりとしたまろやかな味わいのコーヒーが好きな方
普段から飲みやすいコーヒーを求めている方
硬水で淹れたコーヒー:コクと苦味を際立たせる
硬水は、軟水に比べてカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含みます。
硬水で淹れたコーヒーの特徴
しっかりとしたコクと苦味: ミネラル分がコーヒーの成分(特に苦味成分)の抽出を促進するため、濃厚でしっかりとしたコクと、キリッとした苦味が際立ちます。
深煎り豆との相性: 深煎りの豆や、力強い風味の豆と合わせると、その個性をより引き立てます。エスプレッソなどにも適しているとされています。
独特の風味: ミネラルが多い分、コーヒー豆本来の風味とは異なる、硬水特有の風味が付加されることがあります。
ヨーロッパの多くの地域では硬水が一般的であり、その水質で培われた濃厚なエスプレッソ文化があります。
硬水がおすすめな人
コクのある濃厚なコーヒーが好きな方
しっかりとした苦味を楽しみたい方
深煎りの豆やエスプレッソをよく飲む方
意外と重要?「中硬水」のバランス
厳密には、軟水と硬水の間にある「中硬水」も存在します。
中硬水は、ミネラル分が適度に含まれているため、コーヒーの酸味と苦味のバランスを良くしてくれると言われています。どのような豆でも比較的美味しく淹れやすく、クセのない味わいを楽しみたい場合におすすめです。
まとめ:あなた好みの味は、どっちの水で作る?
水の種類 | 特徴 | おすすめのコーヒー豆 |
軟水 | ・まろやか ・酸味・甘みが際立つ ・すっきりとした飲み口 ・コーヒー本来の風味を引き出す | 浅煎り〜中煎り、フルーティーな酸味や華やかな香りの豆 |
硬水 | ・コクがある ・苦味が際立つ ・しっかりとした味わい ・深煎り豆の個性を引き出す | 深煎り、しっかりとした苦味やボディ感のある豆 |
中硬水 | ・酸味と苦味のバランスが良い ・クセがなく飲みやすい ・どんな豆にも合わせやすい | どんな豆でも比較的美味しく淹れられる。個性を活かすのに適している。 |
結局のところ、軟水と硬水のどちらが良いかは、個人の好みや、使用するコーヒー豆の種類によって変わってきます。
「いつもと違う水で淹れたら、こんな味になった!」という発見は、コーヒーの楽しみをさらに広げてくれるはずです。ぜひ、ご自宅の水道水や、市販のミネラルウォーターで、軟水と硬水のコーヒーの味の違いを試してみてはいかがでしょうか?
(※注意点)
水道水を使用する場合、地域によってはカルキ臭が気になることがあります。その場合は、浄水器を通したり、一度沸騰させたりすることで、カルキ臭を軽減できます。
極端に硬度が高すぎる水(超硬水)は、コーヒーの成分をうまく抽出しきれなかったり、雑味の原因になったりすることがあるため、コーヒーにはあまり向かないとされています。