特権ID管理(PAM)とは?運用のリスクと安全に保護するための実践ステップ
システムやデータベースに対して無制限に近いアクセス権限を持つ「特権ID」。 万が一、 この特権IDが第三者に奪われたり、 内部で不正利用されたりすると、 機密情報の漏洩やシステムの破壊といった深刻な被害につながります。 サイバー攻撃が高度化する現代において、 特権IDの管理と保護(Privileged Access Management:PAM)は、 企業セキュリティの要と言えます。 この記事では、 特権IDの基本概念から、 無管理状態が引き起こすリスク、 失敗しない運用ルールの構築手順、 そして安全に保護するための具体的な対策までを分かりやすく解説します。 自社のセキュリティ体制の強化や運用の見直しにぜひ役立ててください。 特権ID(特権アカウント)とは?一般IDとの違い 特権IDとは、 システムの構築、 設定変更、 ユーザー情報の管理、 データの参照・削除など、 システム管理上必要なあらゆる操作を実行できる最高権限を持ったアカウント のことです。 代表的な特権IDには以下のようなものがあります。 Linux / Unix系OS: root Windows系OS: Administrator(Domain Adminなど) データベース(MySQL、Oracleなど): SA(System Administrator)、 sys、 system クラウドサービス(AWS、Azureなど): ルートユーザー、 グローバル管理者 ネットワーク機器(ルーター、FWなど): admin、 enable権限 一般IDとの根本的な違い 一般ユーザーが利用するIDは、 あらかじめ許可された範囲内のデータ参照や操作しか行えません。 一方、 特権IDはシステム全体の定義を変更したり、 ログを消去したりする強力な権限を有しています。 そのため、 ひとたび脅威に晒された場合の影響度は一般IDの比ではありません。 特権IDの管理が不十分な場合に生じるリスク 特権IDの運用が曖昧になっていると、 外部からのサイバー攻撃だけでなく、 組織内部に起因するセキュリティ事故の要因にもなります。 1. 外部攻撃者によるアカウント奪取とランサムウェア被害 攻撃者が標的型メールやフィッシング、 マルウェア感染などを通じて一般社員の端末を乗っ取った後、 最初に行うのが「権限昇格(特権IDの探索と...