【意外と知らない】カフェインの抽出率に影響を与える水の要素とは?
「朝のコーヒーは、とにかくシャキッと目を覚ましたい!」
「夕方に飲むコーヒーは、リラックスしたいからカフェインを控えめにしたいな…」
コーヒーに含まれるカフェインは、私たちの気分や体調に大きな影響を与えますよね。実は、コーヒーを淹れる際に使う「水」が、このカフェインの抽出率を大きく左右することをご存知でしょうか?
水の要素を理解して使い分ければ、同じコーヒー豆でも、カフェインの量を変えることが可能です。今回は、カフェインの抽出率に影響を与える「水の4つの要素」を分かりやすく解説します。
1. 水温
これは最も重要で、影響が大きい要素です。
高温(90℃以上): 高温で淹れると、コーヒー豆からカフェインが素早く、効率的に抽出されます。目が覚めるような、パンチの効いた一杯を飲みたいときに最適です。
低温(70℃以下): 低温でじっくり抽出する「水出しコーヒー(コールドブリュー)」は、高温で淹れるよりもカフェインの抽出率が低くなります。まろやかで、胃に優しい味わいになるのも特徴です。
2. 硬度(ミネラル分)
水の硬度も、カフェインの抽出に影響を与えます。
軟水: 硬度が低い軟水は、コーヒー豆の成分を邪魔せず、スムーズに抽出します。そのため、カフェインも効率よく抽出されやすいです。
硬水: カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多い硬水は、コーヒー豆の成分と反応し、カフェインの抽出を抑制する傾向があります。まろやかでコクのある味わいになりますが、カフェイン量は少なくなります。
3. pH(水素イオン濃度)
水のpHも、コーヒーの抽出に影響を与えます。pH7.0を中性とし、それより低いと酸性、高いとアルカリ性です。
弱酸性~中性: 一般的に、コーヒーの抽出に適しているのは、pH6.0~7.5程度の弱酸性から中性の水です。このpH範囲では、コーヒー豆の成分がバランス良く抽出され、カフェインも適度に引き出されます。
アルカリ性: pH値が高いアルカリ性の水を使うと、コーヒーの酸味や苦味が抑えられ、まろやかな口当たりになります。しかし、カフェインの抽出を妨げる傾向があるため、カフェインを控えめにしたいときに有効です。
4. 溶存酸素
水の中にどれくらいの酸素が溶け込んでいるかも、抽出に影響を与えます。
酸素が多い水(汲みたて、沸騰させすぎない水): 水中の酸素がコーヒー豆の成分と反応し、カフェインを含む様々な成分をスムーズに引き出します。
酸素が少ない水(一度沸騰させて冷ました水): 酸素が抜けているため、抽出効率が落ち、カフェイン量も少なめになります。
まとめ:水の要素をコントロールして、理想の1杯を
カフェインの抽出率をコントロールするには、以下の要素を意識してコーヒーを淹れてみましょう。
しっかりカフェインを摂りたい時: 高温の軟水で淹れる。
カフェインを控えめにしたい時: 低温の硬水やアルカリ性の水で淹れる。
これらの要素は、単独で作用するだけでなく、お互いに影響し合います。
たとえば、**「水出しコーヒー」**は低温の抽出方法なのでカフェインが少ないですが、水の硬度を変えることで、さらにカフェイン量を調整することも可能です。
このように、水の要素を理解して使い分けるだけで、いつものコーヒーがより奥深く、あなたの体調や気分に合わせた特別な一杯になります。ぜひ、色々な水の組み合わせを試して、お好みの味わいを見つけてみてくださいね。