ウォーターサーバーで作るコーヒーの淹れ方、器具の選び方
ウォーターサーバーは、美味しいコーヒーを淹れる上で最高の相棒となります。
コーヒーの味の9割は「水」と「温度」で決まると言われていますが、ウォーターサーバーはその両方を高いレベルで満たしてくれるからです。
ウォーターサーバーで作るコーヒーの淹れ方と、その特性を最大限に活かす器具の選び方について、詳しく解説します。
1.ウォーターサーバーで作るコーヒーの淹れ方(ハンドドリップ)
ウォーターサーバーの最大の特徴は、**「コーヒーに最適な水(軟水)」と「適切な湯温(約80℃〜90℃)」**をいつでも手軽に用意できる点です。
ここでは、その特性を活かしたハンドドリップの淹れ方を紹介します。
淹れ方ステップ:ウォーターサーバー利用時の3つのコツ
ウォーターサーバーの温水を利用する場合、以下の手順で淹れると安定した味になります。
| ステップ | ポイント | ウォーターサーバー活用術 | 
| Step 1: 湯温の調整と準備 | コーヒーの抽出に最適な湯温は約90℃前後です。沸騰直後の熱湯よりも、少し冷ました方が雑味が出にくくなります。 | サーバーの温水(通常約85℃〜95℃)をドリップポットに移すだけで、ほぼ最適な温度になります。再加熱機能がある場合は、一度再加熱してから少し冷ますとより理想的です。 | 
| Step 2: 蒸らし(最も重要) | コーヒー粉全体に均一にお湯を少量(粉が湿る程度)注ぎ、20秒〜30秒待ちます。この間にガスが放出され、成分が抽出しやすくなります。 | サーバーから直接注ぐと勢いが強すぎることがあります。必ずドリップポットを経由し、ゆっくりと静かに粉全体を濡らしましょう。 | 
| Step 3: 抽出(「の」の字ドリップ) | 中心から**「の」の字**を描くように、お湯を数回に分けて注ぎます。フィルターに直接お湯がかからないように注意します。 | サーバーの**水(軟水)**はコーヒーの風味を邪魔しないため、安定した味わいになります。抽出時間(2分半〜3分)が長すぎると雑味が出るので、一定のペースを保ちましょう。 | 
【裏技】サーバーで水出しコーヒー(コールドブリュー)も簡単
サーバーの冷水(軟水)を使えば、水出しコーヒー(コールドブリュー)も手軽に作れます。
器具: 水出しコーヒーポット(メッシュフィルター付き)を用意します。
淹れ方: コーヒー粉をメッシュフィルターに入れ、サーバーの冷水を注ぎます。
抽出: 冷蔵庫で4〜8時間抽出するだけで、雑味が少なくまろやかなアイスコーヒーが完成します。
2.ウォーターサーバーを活かすコーヒー器具の選び方
ウォーターサーバーを使う場合、水の良さと湯温を最大限に引き出す器具を選ぶことが重要です。
選び方1:湯量のコントロールに必須な「ドリップポット」
ウォーターサーバーから出る温水を、そのままドリッパーに注ぐのは困難で、均一な抽出ができません。
| 器具の名称 | 特徴とウォーターサーバー利用時のメリット | 
| ドリップポット | 必須アイテム。細く、均一な湯量で注げるため、サーバーの温水を移し替えるだけで、蒸らしや抽出を完璧に行えます。 | 
| 選び方のコツ | **細口(先が細い)**であること。容量は淹れたい杯数(例:2〜3杯用)に合わせて選びましょう。 | 
選び方2:好みの味で選ぶ「ドリッパー」と「フィルター」
ドリッパーの形や素材によって、味わいが大きく変わります。サーバーの軟水はどの抽出方法にも適していますが、特に相性の良い組み合わせを紹介します。
| 抽出器具 | 形状/素材 | 味わいの特徴 | ウォーターサーバーとの相性 | 
| 円錐形ドリッパー | 抽出穴が大きく、お湯が早く落ちる。 | スッキリとして、酸味やフルーティーさが際立つ。 | ◎ 軟水が酸味を邪魔せず、豆の個性を引き出す。 | 
| 台形ドリッパー | 抽出穴が小さく、一定時間お湯が留まる。 | コクと苦味がバランスよく、安定した味。 | 〇 誰でも失敗なく、安定した味を再現しやすい。 | 
| フレンチプレス | 金網フィルター(ペーパーレス)。 | コーヒーオイルも抽出され、濃厚で豆本来の味が強い。 | ◎ サーバーの水をそのまま使える。抽出時間管理で安定。 | 
| エアロプレス | 圧力で抽出する、モダンな器具。 | 短時間で濃厚かつクリアな味わい。 | ◎ サーバーの湯温が安定しているため、常に高い再現性で抽出できる。 | 
選び方3:水の硬度による「豆の焙煎度合い」の調整
ほとんどのウォーターサーバーは軟水を使用しています。
| 水の種類 | 味わいへの影響 | おすすめの焙煎度合い | 
| 軟水 (ミネラル成分が少ない) | 苦味や渋みが抑えられ、豆本来の香りや酸味を引き出す。 | 浅煎り〜中煎りのフルーティーな豆。豆の個性を楽しみたい場合に最適。 | 
| 硬水 (ミネラル成分が多い) | 苦味や渋みが出やすく、濃厚な味わいになる。 | 深煎りの苦味を強調したい豆。 | 
あなたのサーバーの水が軟水であれば、浅煎りの豆を選んで、爽やかな風味を楽しむのがおすすめです。
3.ウォーターサーバー利用時の注意点
注意点1:温水の温度をチェック
一部のウォーターサーバーには、節電のためのエコモードが搭載されています。このモード中は、湯温が70℃前後に下がる機種があります。
コーヒーを淹れる際は、必ず通常モードや再加熱機能を使って、90℃前後の最適な湯温が確保されているか確認しましょう。
注意点2:サーバーの温水から直接注がない
繰り返しになりますが、サーバーのノズルから出るお湯は、ドリップには適さない勢いと太さです。
必ずドリップポットに一度移し替えてから、ゆっくりと丁寧に注ぐことが、美味しいコーヒーを淹れるための絶対条件です。
ウォーターサーバーを導入すれば、「最高の水」と「最適な温度」という二大要素が揃います。あとは器具を選んで淹れ方を少し工夫するだけで、毎日のコーヒータイムが格段に贅沢なものになりますよ。