ウォーターサーバーのサーバーのタイプ、コーヒーのプロが解説
ウォーターサーバーは、家庭やオフィスだけでなく、カフェやレストランでも導入されることが増えています。特にコーヒーを淹れるプロにとって「水の質」は味を大きく左右する重要な要素です。この記事では、コーヒーのプロの視点からウォーターサーバーのタイプをわかりやすく解説し、コーヒーとの相性や選び方のポイントを紹介します。
ウォーターサーバーの主なタイプ
1. ボトル型サーバー(ガロンボトル式)
もっとも一般的なタイプで、大きなボトルをサーバーにセットして使用します。
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メリット:水質が安定しており、天然水などこだわりの水を選べる
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デメリット:ボトル交換が重労働になりやすい
コーヒー用としては、天然水を選べばミネラルがほどよく含まれており、バランスの良い味わいを引き出せます。特に浅煎りのスペシャルティコーヒーではフルーティな香りを損なわずに楽しめるでしょう。
2. 水道直結型サーバー
水道管に直接つないで使用するタイプ。ボトル交換が不要で、定額制のものが多いです。
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メリット:水切れの心配がなく、コストを抑えられる
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デメリット:設置工事が必要で、引っ越しの際に不便
コーヒーの観点からは、フィルター性能がカギになります。活性炭や逆浸透膜(RO)フィルター搭載のものなら、クセのないクリアな水が得られるため、深煎りコーヒーでも苦味やコクをしっかりと再現できます。
3. RO水サーバー(純水タイプ)
逆浸透膜フィルターを使い、ミネラル分まで取り除いた「純水」を供給するタイプ。
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メリット:不純物がほとんどなく、赤ちゃんのミルク作りにも安心
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デメリット:ミネラルがないため、味わいがフラットになりやすい
コーヒーには必ずしも最適とはいえません。フレーバーが出にくく、物足りない仕上がりになることがあります。ただし、自分で**ミネラル添加(カフェ専用のミネラルパウダーなど)**を行えば、安定した抽出が可能になります。
4. 冷温両用タイプ
冷水・温水の両方をすぐに使えるタイプで、もっともポピュラーです。
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メリット:お湯を沸かす手間がなく、ドリップコーヒーがすぐに淹れられる
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デメリット:電気代がかかる
コーヒー用に非常に便利で、特にハンドドリップやフレンチプレスを日常的に楽しむ人にはおすすめ。お湯の温度が安定しているため、抽出の再現性が高くなります。
5. 高機能型サーバー(コーヒー抽出機能つき)
近年は「コーヒーメーカー一体型ウォーターサーバー」も登場しています。
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メリット:ボタン一つでコーヒーやカフェラテを楽しめる
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デメリット:本体価格や維持費が高い
家庭やオフィスで「コーヒーと水を一緒に楽しみたい」という方にはピッタリ。ただし、コーヒー専門店で味を追求するなら、やはり自分で豆を挽いてウォーターサーバーの水を使って淹れるほうが理想です。
コーヒーのプロが選ぶポイント
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水の硬度:
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軟水 → 日本人好みのすっきり味。浅煎りやフルーティーなコーヒーに最適
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中硬水 → コクや苦味が際立ち、深煎りやエスプレッソに向く
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温度の安定性:
サーバーのお湯が適正温度(90〜95℃前後)を保てるかが重要。 -
コストとメンテナンス:
定期的なフィルター交換や電気代を含めて長期的に検討することが大切。
まとめ
ウォーターサーバーには、
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ボトル型
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水道直結型
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RO水サーバー
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冷温両用
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コーヒー抽出機能付き
といったタイプがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。
コーヒーを本格的に楽しみたいなら、
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軟水〜中硬水を選べるボトル型や水道直結型
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温度が安定する冷温両用タイプ
がおすすめです。
「おいしいコーヒーのために水を選ぶ」ことは、豆選びや焙煎と同じくらい大切。ウォーターサーバーを上手に活用すれば、自宅でもプロの味に近い一杯を楽しむことができます。