社員総会議事録のひな形:書き方のポイントとテンプレート
社員総会議事録は、会社の重要な決定事項を記録する、とても大切な書類です。法的な要件を満たしつつ、誰が見ても分かりやすい議事録を作成するには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
この記事では、社員総会議事録の基本的な書き方から、すぐに使えるひな形まで、詳しく解説します。これから作成する方も、もう一度見直したい方も、ぜひ参考にしてください。
社員総会議事録の重要な記載事項
社員総会議事録は、ただ会議の内容をメモするだけではありません。会社法で定められた必須の記載事項があります。これらの項目が欠けていると、法的な効力が認められない場合があるため、必ず押さえておきましょう。
開催日時と場所: いつ、どこで会議が行われたかを正確に記載します。
総社員の議決権の数およびその一部を行使することができる社員の議決権の数: 全社員の議決権の数と、そのうち総会に参加できる社員の議決権の数を記載します。
出席社員の人数およびその議決権の数: 議事録に署名・記名する社員の人数と、その議決権の数を記載します。
議事の経過の要領およびその結果: どのような議題について話し合われ、どのような結論に至ったかを簡潔に記載します。
決議を要する事項について特別の利害関係を有する社員の氏名: 議決権の行使が制限される社員がいる場合に記載します。
議事録作成に係る職務を行った者の氏名: 議事録を作成した人の氏名を記載します。
議事録署名人の氏名: 議事録に署名する社員(通常は代表社員)の氏名を記載します。
これらの項目を漏れなく記載することで、議事録の信頼性と法的有効性が高まります。
【ひな形】社員総会議事録のテンプレート
以下は、一般的な社員総会議事録のひな形です。必要に応じて項目を調整してご活用ください。
【テンプレート】
〇〇株式会社 定時社員総会議事録
開催日時
〇年〇月〇日(〇曜日) 午後〇時〇分
開催場所
東京都〇〇区〇〇 〇〇ビル〇階
社員総数および議決権数
総社員数:〇名(議決権数:〇個)
出席社員数:〇名(議決権数:〇個)
(※)定款第〇条の規定により、議決権数の〇分の〇以上にあたる〇個の議決権を有する社員の出席があり、本総会は有効に成立した。
議長
議長には代表社員〇〇〇〇が就任した。
議事の経過と結果
第1号議案:〇年〇月〇日より〇年〇月〇日までの事業報告書、貸借対照表および損益計算書の承認の件
議長より、上記書類の内容について説明があった。
全員一致をもって承認可決された。
第2号議案:役員報酬の改定の件
議長より、〇年〇月〇日より代表社員〇〇〇〇の報酬を月額〇〇〇円に改定する旨の説明があった。
全員一致をもって承認可決された。
その他
特に異議はなく、本議案に関する件はすべて滞りなく終了した。
閉会
午後〇時〇分、議長は以上をもって本総会の閉会を宣言した。
上記議事録の記載事項を明確にするため、本議事録を作成し、議長および議事録署名人が以下に記名押印する。
〇年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇 〇〇ビル〇階
〇〇株式会社 定時社員総会
議長:〇〇〇〇 (印)
議事録署名人:〇〇〇〇 (印)
議事録作成の注意点とヒント
正確な情報の記載: 議事録は会社の重要な履歴です。日時や場所、議決権数などは、正確な情報を記載しましょう。
簡潔な記述: 議事の経過は、発言の全てを verbatim で記録する必要はありません。誰がどのような提案をし、どのような結論に至ったかを簡潔にまとめましょう。
署名・記名: 議事録は、議事録作成者だけでなく、議事録署名人による署名・記名が必須です。会社法では代表社員の署名・記名が求められることが多いため、事前に確認しておきましょう。
一般社団法人や合同会社、医療法人など、法人格によって記載事項や署名人が異なる場合があります。 必ずご自身の法人の定款や関連法規を確認し、適切な形で作成してください。
議事録の作成は一見難しく感じますが、ひな形を参考にすることでスムーズに進めることができます。正確な議事録を作成し、会社の大切な記録をしっかりと残しましょう。